この映画だけは絶対に見ないからな!って映画② セデック・バレで己の無力を感じる

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まさかの「この映画だけは絶対に見ないからな!って映画」の第二弾。
一応、第一弾は下記記事。
この映画だけは絶対に見ないからな!って映画 | はいどうぞ、鬼太郎袋 (kitaroubukuro.com)

最近の作業BGMに、映画評論家の町山智浩氏やライムスター宇多丸氏の映画評論を聞いてるわけです。
基本的に聞き流しているんだけど、たまに「これは!」ってのがあって、その度に作業を中断して聞き入ってしまうわけですな。

で、この前ちょっとまた気になるのを見つけたよ。

あたしは台湾が大好きなので「台湾映画」ってフレーズにピンときて、その放送を聞いてました。
というか、まんまとそのフレーズにひっかかったって感じ。

だって、その放送で紹介されたのって、【セデック・バレ】なんだもん。

当然事前知識がないまま、その放送を聞いてしまったわけですからね。
かなりショックが大きかった。

それでは、映画のちょっとした内容を交えながら、感想、あと「これはダメだ。お手上げだ」って話を。
ちなみに、あたしは記事のタイトルの通り、映画自体は見てません。
町山氏と宇多丸氏、自分で調べた内容と、映画のトレーラー等々で補完した上での話ですから。

もうね。
とりあえず色んな意味でショックだった。

セデックバレって映画は、日本が台湾統治時代に起こった「霧社事件」っていう実際にあった事件を元に作られているのね。
台湾の山岳民族セデック族による抗日蜂起事件。
日本人と折り合いがつかずに、様々なことが重なってセデック族が不満が爆発し、ついには小学校の運動会に大挙して乱入。
女子供を含む、日本人だけを140名ほどを殺してしまった事件。
その後、日本側が報復して双方に多くの死傷者が出てしまったのです。

霧社事件について詳しくはお調べいただきたいと思うんだけど、とにかくもう、複雑でやるせなくてどうしようもないって悲しい事件。

セデック族ってのが、そもそも山岳の狩猟民族でさ。
彼らには「首狩り」の文化があるのね。
首狩りは、男子が成人するための通過儀礼っていう、セデック族の中ですごく大事な文化なんだ。
動物ではダメよ。ちゃんと人間の首じゃなきゃ。
セデック族以外にも、台湾という狭い土地にいくつもの首狩り文化を持つ狩猟民族がいるとなると、首狩りの標的は敵対する民族だったり、自分たちの土地を犯してくるその他の人間。
中には同族同士で戦って首を狩るっていうこともあるらしい。

首狩りなんて!って最初思ったけど、実は日本にも似たような文化はあったわけで。
さらし首とかね。

それが文化なんだからって感じであんまり口出ししたくはないけど、人間の首を狩るってのはちょっとね。
当時の日本人も、セデック族の誇りでもある首狩り文化を否定した。
それ以外にも色々あったから、彼らとの軋轢を生んだんだけどね。
それらを踏まえて。

【ショックポイント①】

映画の中の、小学校を襲うシーン。
日本人の子供もセデック族の子供も、同じように学んでいたはずなんだ。
級友ってことだったと思うんだ。
だけど、襲撃の際、セデック族の中学生くらいの子供たちも首狩りをしていた。
成人になるために、級友の首を狩っていったのね。

これ聞いてすごくショックを受けた。

昨日まで一緒に遊んでいたはずの友達が・・・。
成人の通過儀礼とはいえ、友達の首を狩るなんて!
そりゃやる方は子供だからね、大人の男をやるよりも、体の小さい子供や女性を狙った方がはるかにやりやすいだろうさ。
しかしそれにしたってさ・・・。

【ショックポイント②】

この映画、何と4時間半もあります。
だけど台湾では大ヒットしたそうです。

そもそもこの映画は、よくある「抗日映画」ではないそうです。
第二次大戦の敗戦国である、ドイツのナチと日本の大日本帝国軍は、世界的に見て悪役の定番です。
この二つが悪く扱われている映画その他創作物は腐るほどあります。

というか、戦争中なんてどこの国にも地域にも、腐った奴らによる非道な行いは掃いて捨てるほどあるはずなんす。
どこの国が悪い!なんてのはナンセンスで、どいつもこいつも被害者面するなって話です。
被害をこうむっているのは、いつも女子供老人などの弱者では?
兵隊さん全員悪とは思わないけど、何やってるのかサッパリだしなあ。
あたしはそんなもんだと思ってます。

この映画を作った人たちは、日本側にもかなり配慮したっぽいんですね。
日本を「ただの悪党」とし、セデック族を踏みにじられた側にするってよりは、異文化衝突の悲劇みたいな風に描いてるような気がするの。
映画アバターみたいな感じで。
アバターよりもよっぽどエグイ、しかし深い感じになってるけど。

で、そんな風に製作陣が配慮したけど、見た人がそこまで思うかってのが問題で。
台湾でこんなにヒットしたってことは、もしかしてこれが台湾人の本音なのかなって思っちゃったり。

韓国に行ったときは、「韓国は反日だから気をつけなきゃ」と最新の注意を払い、事前準備を怠らずに行きました。
半ば強制的に行ったので、本当は行きたくなかったんだけどね。
韓国とか中国は怖いから行きたくない。そんな国は中韓以外にもたーくさんあるんだけど!

で、台湾に行ったときは、そこまで気を張りませんでした。
台湾は親日だからって「甘え」がどこかにあったのです。
「台湾が大好き!」と言いながら、あたしは恥ずかしながら霧社事件のことなんて知らなかったし。
今回映画評論を聞いて初めて知ったわけだし。
台湾旅行ツアーの時、ガイドさんは日本統治時代に日本が台湾にしてくれた「良い事」しか話してくれなかった。
当たり前といえば当たり前だけど。
そんな自分の無知とか甘さとかもショックでした。

そうだよね。
いきなり部外者が来て、最初から最後まで丸く収まるわけないんだ。
そもそも台湾って、たくさんの狩猟民族がいて危険なところで衛生状態も悪いから、清国も手を焼いていたらしい。
通りかかった他の国の民間人も首狩りの対象になったりと、まさに危険な場所!
そんなところで平和的に、死生観も文化も何もかも違う民族が暮らせるわけないじゃない。
で、今の台湾に多くいるのは中国系の人らしいから、抗日作品はヒットするのかもね。

ちょっと、台湾=親日=安心って考え方は改めないと!
自分の短絡的な思考に気付いたのがショックでした。

【ショックポイント③】

改めて考える、異文化交流の難しさ。

世界にいる狩猟民族の多くは、独特の死生観を持っている。
映画アバターでも、生き物は死んだらエイワに帰るだのなんだのと言ってたね。
殺した生き物、死んだ生き物は自然に帰る。
魂は永遠に消えない。
だから殺しても死ぬわけじゃない。

これね。
あたしの「死んだら二次元に行ける」より、比べ物にならないくらい恐い考え方だと思う。
だって、あたしのは自分にだけ適用する考えだけど、セデック族はそうじゃない。
自分たちも、それに相手にもその死生観が適用される。

だから殺してもいい。だって魂は永遠だから、敬意をもって殺す。
そして、自分たちも死を恐れない。だって魂は永遠だから。死んでもこの世界に残る。

だから彼らは殺すのに躊躇ないし、死も恐れないからためらいなく向かってくる。
何て恐ろしい。これはとても恐い事だ。

そして、そんな文化と対峙するとき、どうしたらいいのかわからないのがショックポイント。

セデック族にとって首狩りは誇り高い大事な文化。
だけど、あたしはそれは良くない事だと思う。
人を殺すのは良くないと思う。

けど、他人の文化を蔑ろにして押さえつけるのも、良くない事だと思う。
何も知らない余所者の自分がしゃしゃり出ることなのか?と思う。

「人殺し=首狩りはダメ」⇔「相手の文化を頭ごなしに否定はダメじゃないか」

考えると、これがずっとループするわけです。
絶対に答えが出ない。
たぶん、一番平和なのは、お互いに干渉しない事なんだと思う。
違う価値観の者同士、離れていれば、いざこざはないんだもの。
だけどね、そうもいかない場面もあるわけで・・・。
難しいね。

日本人はセデック族に酷いことした。セデック族も日本人に酷いことした。
日本人が最初から来なければよかったのにっていうような、そんな簡単な話でもないだろうし。
本人の意志とは関係なく台湾に行った人はどうなるんだよ。

あたしの足りない頭では、どうしたらいいのか、もう全然わからん。
どうしようもないって感じ。

ちょっと深く考えすぎて頭痛くなりました。
あー、わからんわからんわからんわからんわからん。

台湾は日本食の規制を強化するそうです。
日本はいよいよ安保法案閣議決定ですってね。

もうね、誰かが戦って悲惨な末路を迎える時代は嫌だ。
これから世界が、あたしの生活が、色々とどうなるのか不安。
まあ、心配したってどうしようもないんだけど。

なにはともあれ「セデック・バレ」、今後絶対見ない!!
映画そのものを見ないでも、こんなに具合悪くなるんだもんね。
やっぱり戦争関連は最悪!!というか戦争が最悪!!
映画には罪は無いけども!!

そんなこんなで、心身の養生に努めております。
すり減らした精神の回復にはやや時間がかかりそうだ。
声優さんの胸キュンセリフでも聞いておきます。

ああああああ、もう疲れたわああああ。

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